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1月10日に行われた五十嵐太郎先生のレクチャー最終回のレポート。タイトルは「始まりのケンチク(後半)―00年代の建築」です。

前回95年を始点として、2000年前後までに建築界に何がおこったかを語っていただいた。オウムと震災によってデコンとポストモダンが事実上終焉し、その後の世界をどのように捉え、乗り越えていくのかという模索する動きが続いていったのが、95年以降の建築の流れであったと捉えることができるだう。今回は2001年の911を出発点に、五十嵐太郎が00年代の建築の状況をどのように捉えているのか、またそこから現在的な問題として立ち上がってくる問いを掬い上げていく。

以下内容です。 
12月13日に行われた五十嵐太郎先生のレクチャー4回目のレポート。タイトルは「始まりの建築(前半)ー95年以降の建築」です。

最近様々な文脈で時代の節目としての95年が語られることが多かったように感じる。確かにこの都市地下鉄サリン事件があり、阪神大震災があった。当時小学生だった私にはそのような印象は特になく、社会をそのようなものとして受け入れざるをえなかったのかもしれない。ともかく、95年が建築界にどのようなインパクトと影響を与えたのかという話からレクチャーは始まっていく。

以下概要です。
12/12に行われた五十嵐太郎先生によるレクチャー3日目。
10月に刊行された『建築と音楽』(菅野祐子と共著)について、主に先生の修士論文でもある「ゴシックとノートルダム学派」を中心に語られました。

建築と音楽の繋がりを意識することは建築を勉強していると無い話ではなく、他の芸術分野にくらべるとむしろ多いのかもしれないが、では両者の繋がりが比喩的なレベルを超えてどのように繋がっているのかになると明確には意識できていなかったように思う。もちろん建築の対象として音楽ホールを設計するとなると、音響や演奏形式との関係を考えない訳にもいかないし、近年だとサウンドスケープというふうに環境の要素として音を捉える見方も定着しつつある。また、音楽で見いだされた音階という比例関係が、建築に比例を用いる際の根拠になってきたことは教科書にもみられる。

以下レクチャーの概要 
11月15日、五十嵐太郎先生(建築論建築批評)のレクチャー2日目。

第2回目のタイトルは「リスボンからベネチアへ、建築の展覧会を考える」でした。受講者もおおく関心の高さが伺えました。今回もレクチャー終了後、五十嵐先生が運営されている建築系ラジオの収録が展覧会をテーマに行われました。その後はRADroomでささやかな懇親会がひらかれました。

○以下レクチャー概略です。
11月14日、五十嵐太郎先生(建築論建築批評)のレクチャー1日目。

初回のレクチャータイトルは「メディアをおこすこと 『エディフィカーレ』から『建築雑誌』へ」。

卒業論文(第3回目の内容参照)、卒業制作(予告編インタビュー参照)を起点に、五十嵐先生の膨大な仕事の数々が、どのような背景で生まれたのか、そしてどのような関連性をもって繋がっていったのかが示された。



○以下レクチャー概略です。

インタビュー01/五十嵐太郎

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今回は「Querycruise vol,1」でレクチャーを担当していただく建築史家の五十嵐太郎氏に自身の活動の事、また今回のレクチャーについてお話を伺います。

Q:五十嵐さんの活動の概要について教えて下さい。

概要は難しいです。一つのテーマだけを追いかけている人であれば説明しやすいのだろうけれど。「宗教と建築」だけを生涯のテーマにしていて、卒業論文、修士論文、博士論文、そしてその後もずっと研究を続けて、何か関連トピックがあれば意見を求められるというような事ではないので。いろんな事をやってるとしか言いようが無いです。要するに概要と言われたら、建築の評論をやっていたり、建築の展覧会の企画をやっていたり、あるいはメディアに関することや物事を起こす事等、色々あるとしか言いようがない。

Q:4年生の最後に卒業設計をされ、その後は建築設計ではなく建築史の方へ進まれましたが、そのきっかけはどのようなものだったのでしょうか?

まず卒業設計で原子力発電所を設計しました。原子力発電所は、30年くらい稼働すると使えなくなります。その処理の方法としてコンクリートとアスファルトで固めると言うのがあり、面白そうだったのでそれをやりました。具体的には、高レベル廃棄物処理場を原子力発電所の地下につくり、使えなくなったら、そのままコンクリートとアスファルトで固めると、2000年経っても3000年経っても放射能の影響が残り、どんな開発が起ころうとも、どかすことのできないモニュメントになるというものでした。そうやって卒業設計をやって、自分はデザインに関心はあるけれど、おそらく物語を作る能力の方が人より優れているらしいということに気がついた。すでに建築の歴史の研究室にはいましたが、文章だとかお話を作る方に自分自身で可能性があると思いました。

Q:その後、博士論文では「新宗教と建築」いうテーマを選ばれましたが、どういう経緯でテーマを決められたのでしょうか?

いろんな事を考えて行き着くんですが、新宗教の建築に関しては、単純に誰もやっていないということや、博士課程の早い時期に『10+1』で都市のタイポロジーの特集があって天理市を訪れた事がきっかけです。もちろんオウム真理教の事件も無関係ではありません。また言葉と建築という関係があまり形而上学でもなく、メタ批評でもなく、具体的な事例を通して考えられるのが宗教建築だった。そこで「新宗教と建築」というテーマで博士論文をやりました。これは完成する前から講談社から出版される事が決まり、幸運でした。それは、誰もが気になっているテーマだけれども、ちゃんと誰もまじめにやらなかったわけで、宗教学の分野はもちろん扱いますが、建築や空間論の立場から考えた事がないテーマだったからではないでしょうか。

Qそれ以前にも何冊か本を出されています。先ほど名前が出た『10+1』にも寄稿されていますし、早いところで言うと『エヴァンゲリオン快楽原則』が97年に出版されています。

それはまず先に、大学院の時に『エディフィカーレ』という同人誌を書いていて、それを建築のメディア関係者や建築家等に渡したりしていましたが、その中で注目くれた人が数人いて『GA JAPAN』という雑誌でメンバーによる連載枠をもっていました。そうして何度か書いてるうちにですね、大変短い1000文字くらいの文章ですけど、八束はじめさんが関心を持ってくださって、『10+1』に書かないかと言って下さったのがきっかけです。
エヴァンゲリオンは、もう単純にあのころエヴァンゲリオンのブームがあって、それこそ関連書籍が濫造されていて、たまたま知り合いが出版社の人でエヴァンゲリオンの本を出したいということがあって。そういうのは半分偶然もあるし、あとは面白いと思った事には、基本的に関わるというのが昔からあってですね。その時は単純に面白いと思ってその本の企画にも関わった。ただ他のエヴァ本とその本が違っているのは、当時出ているのはほとんどが謎解き本だったのですが、それは映画が上映されて答えが出たらあってるか、間違ってるかで終わりだけど、批評であればあってるとか間違ってるとかはないので、エヴァの批評をやりました。明確に批評をやったのは僕の関わった本の他にはあまりなく、そこの一線はだいぶ違うと思います。

Q:五十嵐さんの活動の特徴として、非常に多くのしかも多岐にわたっての執筆、メディア活動を行われているという事があると思いますが、何か理由はあるのでしょうか?

いや、単に来てる依頼を引き受けたらこうなっただけなので。自分から原稿書かせてくれなんて営業した事はないですし。面白い事を断らずにやっていったら、いつの間にか増えたとしか言いようが無いんですよね。自分でやりたい事と、他の人が考える僕が出来るであろうことは違っていたとしても、編集者が見ている違う自分に興味がある。自分でやりたい事だけやるとだいたいさっき言った追求型になるんですけど、他の人からこういう事ができるんじゃないかと僕が見えるとしたら、それはきっと可能性があるからだろうと思うし、そういう事に大体付き合っていったら増えていった。でもそういう風に見えるには理由があるんだと思って、付き合っていったということです。


Q、それでは五十嵐さんにとって、建築メディア(著書、雑誌、ラジオ、展覧会)が果たす(社会に対する)役割、また価値とはどのようなものなのでしょうか?)

 専門誌と一般誌で全然役割が違います。専門誌は業界の内部で評価を高めたり、長く継続することでアーカイブ的な意味を獲得します。社会性はなくても可能です。一方、一般紙が建築をとりあげるときは、すでにそれが何らかの社会性があるからです。僕としては、どちらがより上位であるという考えはなく、それぞれは比較しづらい別世界のような気がします。

Q:今回のレクチャーの聞き所について

最初の企画文に、京都に建築関連のイベントが無いと言う事があったので、レクチャーでは自分の活動に関して、物事をどうやって起こすのかという話をするつもりです。本に書いてある事は本を読めば大体わかると思うので、どちらかというと、そうじゃない展覧会とかメディアを起こす事とはどういうことかについて話したいと思います。そういうことは今まで書いた事も無かったので。京都でもぜひ物事を起こして下さいということで、レクチャーのラインナップが出来ています。


Interviewed by RAD/kawakatsu