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本日はQueryCruiseに講師としてお招きしております、京都精華大学デザイン学部准教授佐藤守弘先生の研究室にお邪魔しております。



―まずは先生ご自身のお話から伺っていこうと思います。よろしくおねがいします


よろしくおねがいします。


―佐藤先生のご専門は芸術学ということですが


そうですね、ただデザイン学部という名前でわかると思いますが制作系の学生を教えています。ですが、僕自身としてはモノをつくるわけではなくて、いわゆる芸術、デザイン、あるいはうち〔京都精華大学〕にはマンガ学部というものもありますが、これらのジャンルに共通するひとつの理論あるいは歴史のようなものを教えています。


―先生ご自身の研究テーマについて教えていただけますか


芸術学とは言っていますが、実はあまり芸術の研究はしていません(笑)。むしろ芸術から対象をもっと広げて考えていく視覚文化論―ヴィジュアル・カルチャー・スタディーズといいますが―といったほうが正確かもしれません。そして直接に研究の対象とするのは19世紀から20世紀頭にかけての視覚文化、特に写真というメディアが中心です。ただそれも写真に限らず、絵画であったり、都市の問題であったり、そのあたりは幅広くやっています。


―先生が学生だったころはどのような研究をされていらっしゃいましたか


一番初めは江戸時代の泥絵というあまり知られていない絵画なんですけれど、言ってみれば土産物の絵ですね。地方の下級武士が買い求めて帰った、版画ではない肉筆の都市景観を描いた絵に興味がありました。都市景観、そういうのをトポグラフィといったりしますが、そこから都市とか自然に対する、もう少し広く言うと場所というものとそれ(メディア)との視覚的イメージの関係というのを中心に考えてきました。だから一方では風景論というものも僕にとっては非常に重要です。自然も都市も含めて、そういったところが研究テーマとなっています。

それから近代になって写真というメディアが重要になってきます。そういうわけで、たとえば海外向けに日本の風景や風俗を撮った「横浜写真」と呼ばれるようなものや、1910年代20年代、日本の都市部のアマチュアたちが田舎を撮ったような写真、あるいは1930年代における都市と写真の関係、そういったものに関心が広がっていきます。



―ありがとうございます。では佐藤先生が現在最も興味をもたれていることはなんでしょうか


今少し触れましたが場所とイメージの問題、僕はそれをトポグラフィと呼んでいますが、それが僕の中心的な問題です。そういったところから、今度は都市を風景として表象するだけではなくて、むしろその都市との関わり方ということから、たとえば1920年代から30年代における「考現学」というもの、それが1980年代になると「超芸術トマソン」や「路上観察学会」というところに行き、最近で言うと宝島の「VOW」であるとか―いろいろなウェブサイトでも見ることができると思いますが―いわゆる都市の細部を蒐集するという行為を写真論やコレクション論から考えてみたいなと思っています。


―先生のご研究の価値をご自身ではどのようにとらえられていらっしゃいますか


僕自身は視覚的イメージのことを考えていますけれど、これは実は視覚だけではなくて、たとえば都市デザインの問題であったり、ランドスケープ・アーキテクチャーの問題とも言うことができるだろうと思います。あるいは人文地理学における場所の問題であるとか、そういったところから都市やストリートの政治性、政治学というところまで広がっていくのではないかなと思っています。


―なるほど。現在ではたとえば保存行為ですとか「悪い景観」といったような都市における問題が「保存」「景観」が何であるのかという議論抜きに進んでいるように見受けられますが


そうですね、京都に住んでいる身としては非常にリアルな問題だということができます。といって、今の保存という体制に全て諸手を挙げて賛成できるわけではありません。実際保存ということを考えると、少なくとも明治くらいの国家政策と文化財の問題であるとか、あるいは国民国家の体制と絡んでくる問題です。そしてもうひとつの研究テーマとしてあるのが、京都がどのように表されるのかということです。つまり京都の表象の歴史、あるいは京都の観光化の歴史というものにも興味をもっているのですけれど、そのあたりというのは非常にポリティカルな問題が絡んでくる。すなわち「日本のふるさと」として表象される京都というのが近代にいかに構築されてきたのかということに関心をもっています。最近は奈良のほうまでひろがっていますが。


―範囲が広がってるわけですね


ただ一方では無計画に、というかもはや手遅れという話もありますが、つくられる都市がいいと言ってしまうと問題があるし、そのへん自分自身かなり悩んでいるところです。保存の問題、居住者と保存者の問題というのはすごくリアルなところです。まあこういう話までできるのかちょっとわからないのですが(笑)。


―なるほど。そういえば観光庁(2008年10月設置)なんかもできましたね


いまいちあのあたりはわからないんですけどね。あれは海外に向けてのものでしょう。ですから観光庁の発していく政策っていうのが日本表象の問題としていいネタを提供してくれるような期待はしています。つっこみがいのあるやつを(笑)。

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ここまででだいたい半分です