QueryCruise vol.2

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「景観と町家の選択肢」
2010年1月24日~2月22日

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QueryCruiseはゼミ形式のレクチャープログラムです。毎回、ひとつのテーマに沿いつつ、少人数でひとつの机を囲みながら分野をまたいだ問いの立て方を探ります。船導役として様々な分野からその範疇にとどまらないゲストをお招きし、ゲストの研究テーマをそのたびごとのとりかかりにしていきます。そこでやり取りされるべきコトモノは、私たちの日常のただなかにありながら、別の光を当てられた「非日常的日常」であり、そこに特別な専門知識は必ずしも必要とされず、されるべきでもありません。「唯一の正しい答え」を皆で探すのではなく、自らを問い、他者と問うことによって、私たちの日常に対する問題意識を参加者各々の視点から立体的に思考していくことが本プログラムの目指すところです。
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QCの特徴
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・少人数でひとつの机を囲むため、参加者と講師との距離が物理的にも精神的にも近い
・レクチャーのみならず、フィールドワークやディスカッションを予定し、多様な問いの機会がある
・複数の分野からゲストをお招きし、ひとつのテーマをいくつかの側面から捉えることができる
・自分たちの足許にある問題意識からはじめる

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開催概要
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—日程:2010年1月24日~2月22日
—場所:
radlab. (京都河原町三条すぐ map
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―ゲスト
        大庭哲治(都市社会工学)
            ・・・1月24日(日)19時~21時、25日(月)20時~22時
        佐野亘(公共政策学)
        
    ・・・2月7日(日)19時~21時、8日(月)20時~22時
        加藤政洋(人文地理学)
            ・・・2月21日(日)13時半~、22日(月)20時~22時

+RAD( http://radlab.info )

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募集要項
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—定員:10名程度 ※
予約を優先し、定員になり次第閉め切ります 
    
講師単位での連続受講をお薦めします。
—受講料:1500円~/回 ( 学生1000円~、「~」は自由にお決めください )
―申し込み:info@radlab.info ※件名に【QueryCruise申し込み】とご記載ください
    (お名前、連絡先、受講希望の講師名・日時をお知らせください)
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テーマ
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「景観と町家の選択肢」
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今回のQueryCruiseでは景観と町家とをテーマにしたい。 それらは同じものとして語ることはできないけれど、かといってまったく別なものとも言いきれないものだ。当然のことながら、両者はある社会的状況から生み出され、その中で様々な変化を経ている。だからそれは良い/悪いという主観的感情論的側面からのみ語りきれるものではないし、ましてやそれを基にして操作できるものでもない。ところで景観と町家とはどちらもしばしば「保存」の対象とされているが、難しいのは、その保存問題が「よくわからない」ということにある。それは一体誰の問題なのか、それらを保存するとはどういうことなのか、それらの保存にはどのような困難があるのか、などなど。このように、景観と町家とをめぐる問題が、どのような意味において、どの程度において問題なのかが「わからない」。それでもなおその「保存」に同意を得ようと思えば、「わかりやすい」感情論に訴えることが最も効率的なやり方に思えてしまうかもしれない。しかしそのようにして「わからないこと」に目を閉ざした「保存」運動は、問うことを放棄すると同時に、かえって保存の障害ともなりかねない。だから、今回のQueryCruiseでは、景観と町家とをテーマにするのだが、ひとまずそれらを「保存しよう」という前提をとりはずしてみたい。その上で、景観や町家に対する問いの立て方にどれだけの選択肢があるのかを考えてみたい。そのためにまずはそれらがどのような社会的状況に置かれてきて、いまどのような立場にあるのか、そしてそれらを考えるためには何をどうすべきなのかという、先に「当然のこと」としたことから冷静に問うてみようと思う。あなたが景観や町家に対する「わかりやすい」感情論から抜け出して、「わからないこと」の厚みに向かっていく、その一助となれば幸いである。
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Lecture 1

大庭哲治(京都大学大学院工学研究科都市社会工学専攻 助教)

都市景観の「値段」と

その評価基準について考える

1月24日(日)19時~:都市景観に「値段」を付けて評価する

1月25日(月)20時~:京都らしい都市景観形成に向けての評価方法とは?


【概要】 
従来の都市景観問題の議論においては、お互いに自己の権利を主張しあう、主観的・情緒的な議論に終始することが少なくありませんでした。これは、都市景観に対する人々の価値認識が多様であるため、共通の評価基準のもとで議論してこなかったことが原因であると考えます。近年、このような問題への取り組みの1つとして、都市景観の値段を計測し、定量的に評価する事例が増えています。 
そこで、1回目のレクチャーでは、幾つかの演習を通じて、都市景観に対する人々の多様な価値認識についての理解を深めるとともに、これまで携わってきた研究成果を交えながら、都市景観の値段(経済的価値)とは何か?また、どのように計測するものなのか?についてお話します。 
2回目のレクチャーでは、2007年9月に施行された京都市新景観政策において、建築物の高さや屋外広告物の規制が強化されましたが、良好な都市景観形成に向けて、これらの政策を今後どのように評価していくのか?昨年度に設置された京都市景観政策検証システム研究会で議論されている論点なども含めながら、皆さんとともに、京都らしい都市景観形成に向けての評価方法について議論していきたいと思います。
【講師】
おおばてつはる

京都大学大学院工学研究科都市社会工学専攻 助教。2002年に京都大学大学院工学研究科土木システム工学修了。その後、株式会社UFJ総合研究所(現在、三菱UFJリサーチ&コンサルティング株式会社)に在籍。在職中の2006年に京都大学大学院工学研究科都市社会工学修了。2006年に「地域社会との相互関係性を考慮した歴史的環境財の保全に関する計量的研究」により京都大学博士(工学)。同論文により,日本都市計画学会論文奨励賞受賞。2007年より現職。

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Lecture 2

佐野亘(京都府立大学公共政策学部 准教授)

景観問題とはどのような意味において

問題なのか

2月7日(日)19時~理論→現実:政治学から見る景観問題

2月8日(月)20時~:現実→理論:応用編ワークショップ

【概要】

 歴史的建造物を保護すること、古くからの町並みを保存すること、美しい景観を実現すること――こ れらはいずれも当然のことのようでありながら、現実にはなかなかうまくいっていない。なぜだろうか。なにがその邪魔をしているのだろうか。どのようにすればうまくいくのだろうか。わたしたちは、こうした問題を解決するための手段として民主主義という手続をもっている。では、いまの保存問題や景観問題がうまく解決されていないのは、民主主義がうまく機能していないからだろうか。あるいは、ひょっとすると民主主義だからこそうまくいってないのだろうか。そもそも民主主義は保存問題や景観問題を解決する手段として有効に機能しうるものなのだろうか。当然のことながら、つきつめれば、歴史的建造物の保存も景観の保護もいずれも政治問題にほかならない。保存や景観をめぐる問題を政治の問題として捉えたとき、それらの問題はどのようにみえてくるのか、民主主義の問題と重ね合わせながら考えてみることにしたい。一回目のレクチャーでは、政治学における基本的な理論枠組みを紹介し、そこから保存や景観の問題がどのようにみえてくるか、受講者とともに議論してみたい。二回目では、何人かの受講者に、実際の景観問題の事例を紹介してもらい、それをどのように捉えるべきか、また、どうすれば解決に結びつけることが可能なのか(可能だったのか)、ともに考えたい
【講師】
さのわたる

京都府立大学公共政策学部准教授。京都大学法学部卒業、京都大学大学院人間・環境学研究科博士後期課程修了、京都大学博士(人間・環境学)。著書として、「範型としての問題解決型思考」、足立幸男編著『政策学的思考とは何か』勁草書房、所収、など。

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Lecture 3
加藤政洋(立命館大学文学部地理学専攻 准教授)
都市景観のヘテロトポグラフィ

2月21日(日)13時半~「せんなか半径500メートル―西陣のヘソを歩く―」

※(デジタル)カメラをご持参ください

2月22日(月)20時~〈京都らしさ〉の景観論」

【概要】

京都市では「優れた景観を守り、育て」、そして未来へ伝えていくことを目的に、2007年より「新景観政策」が実施されています。歴史都市・京都の政策課題として主題化されているだけに、景観をめぐる議論は自ずと〈京都らしさ〉をめぐる問題系へと開かれてゆくのではないでしょうか。というのも、保全・育成すべき対象としてされる「優れた景観」なるものは、まさに〈京都らしさ〉という表象であるがゆえに、その否定形(らしくない、相応しくない、除去されるべき……=規制の対象)をも生み出すからにほかなりません。

本企画では、この景観をキーワードにして、まずはフィールドワークを行ない、そこで観取されたコトやモノを素材にして、今度はインドアワークを通じて〈京都らしさ〉をめぐる景観論を展開していく予定です。わたしたちのフィールドは、京都西陣のヘソとでも言うべき、せんなか(千本・中立売)半径500㍍とそのちょっと外側。この地区には著しい商業集積が見られるほか、歴史的花街やかつての遊廓も立地するなど、個性豊かな場所がいくつもあり、景観を考える上で格好のフィールドとなります。隣接しながらも性格を異にするさまざまな場所に留意しながら(ヘテロトポグラフィの実践)、そこに視覚的に起ち現われる風景を解釈してみたいと思います。

【講師】

かとうまさひろ

1972年信州生まれ。大阪市立大学大学院文学研究科後期博士課程修了。博士(文学)。専門は文化地理学。立命館大学文学部教員。著書に『大阪のスラムと盛り場』(創元社)、『花 街』(朝日選書)、『敗戦と赤線』(光文社新書)、『京の花街ものがたり』(角川選書)、『神戸の花街・盛り場考』(神戸新聞総合出版センター)がある。



QueryCruise vol.1の記事 
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